News

就職しても好きなことを継続――パラレルキャリアに挑む新卒エンジニアの6ヶ月

「好きなことができるのは学生時代まで。就職したら仕事一筋」――親世代の生き方からそう感じている人も多いことでしょう。
しかし、パラレルキャリア制度を設けるさくらインターネットでは、好きなこと、やりたいことを続けられる環境があります。今回は、その制度を活用している社員のストーリーをご紹介します。

「社長は同じ学校出身」――聞いたことがある会社が、身近になるまで

▲弊社代表の田中と同じ高専出身の熊谷。ふとしたキッカケから、さくらへの入社を決めます

2017年4月に、新卒でさくらインターネットの内部組織であるさくらインターネット研究所に入所した熊谷将也。弊社代表取締役社長 田中邦裕と同じ学校の出身です。
校内で田中の名前を耳にする機会があったこともあり、さくらインターネットという企業があることは知っていました。とはいえ、あくまでも知っているだけ。特別な感情を抱くことはありませんでした。

高専でプログラミングや画像処理、文字認識を。大学に進学してからは、材料工学の研究に励んでいた熊谷。ちなみに、この「材料工学」とは、元素や天然の原料を調合・加工することにより、必要な性質や機能を持った新しい半導体などの材料物質を作るための学問のことです。
そして、大学院では博士号をとる研究と並行して個人的研究――材料工学に機械学習を取り入れる研究を、東京大学の先生と共同で行なうようになっていました。
大学院の卒業を半年後に控えた2016年10月には、理化学研究所AIPセンター(以下、理研)の先生との繋がりにより、同センターで材料工学に機械学習を取り入れるプロジェクトを開始。

そんな熊谷が、さくらインターネットと“再会”したのは、この就職活動期間中のこと。就活担当者の人柄に触れることで興味がわき、インターンシップに行ってみようと考えたのです。
約4日間という短いインターンシップの期間中、熊谷はさくらインターネットの自由で柔軟な雰囲気を感じ取ります。また、北海道石狩にあるデータセンターを見学し、その規模に圧倒され感銘を覚えました。「自分の知らないところでインターネットを支えている」――そう感じた熊谷は、入社を決意。その後、無事に内定を得ることができました。

熊谷 「取得した博士号はいったん置いておき、しばらくはエンジニアとして生きていこうと考えました。これまでずっと研究者としてやってきた自分がエンジニアとして活躍するには時間がかかるとも思っていましたし。さくらインターネットにも研究所があると知ってはいましたが、そこに配属されるかはわからない。配属されても自分のこれまでの研究分野とはかけ離れているので、研究成果が活かせるとか、研究を継続できるとは考えてもいなかったのです」

内定者のころ、手を震わせながらメールでパラレルキャリアを申請

▲週3〜4日はさくらのオフィス(写真)で業務に勤しみ、退勤後に理研で研究を続けるという日も

さくらインターネットでは、「さくらインターネットらしい働き方」として「さぶりこ」というパッケージを導入しており、その中に「パラレルキャリア」という制度があります。
これは、起業・ボランティア活動などの社外活動(パラレルキャリア=複業)に挑戦できるものです。パラレルキャリアを通じて自社以外の場所でスキルや経験、人脈などを得ることができ、より幅広いキャリアを形成することが可能になるのです。

このパラレルキャリア制度を導入したのは、2017年1月ですが、熊谷はそれより前、しかも自身の内定式も済んでいない2016年9月からパラレルキャリアを検討していました。
「入社したら、この制度を使って現在の研究開発を続けていきたい」と。そして制度が開始してすぐ、内定者の頃に申請のメールを送ります。

熊谷 「入社を決めた当時は、この制度ができるかもしれない、という段階でした。でも、パラレルキャリア制度についての話を聞いたとき、さくらインターネットでの仕事をしながら、これまでの研究も大事にできるのではないか、という期待が湧いてきたんです。正直なところ、メールを出そうか出すまいかかなり悩みました。入社もしていないし、会社のなかの人じゃないから“なんとなく”の雰囲気しかわからないし。第一、新卒の自分が使っていいのだろうか、と。送信するときにはかなり緊張したのを覚えています(笑)」

そして、さくらインターネットから返ってきたのは「ぜひ、やってください」という内容のメールでした。

熊谷 「心の底からホッとしました。実は『今はダメだ』と言われることも覚悟していたんです。とはいえ、今はダメでも、パラレルキャリア制度を認めるくらいの会社だから将来的にはきっとできるだろう、と考えてはいましたけど。空白期間を作ることなく、これまでやってきた研究を続けられるのは、本当にありがたいです」

会社と理研。どちらが、ではなく、どちら“も”大切

▲これが理研で開発を続ける、材料データベース作成支援システムの開発画面の一部です

熊谷が、さくらインターネット研究所で行っている主な研究は「機械学習」。その分野でふたつのテーマを抱えており、ひとつは社内蓄積データの統合と可視化、もうひとつはサイバー攻撃の予知や検知です。膨大な通信量を扱うさくらインターネットには、蓄積されているデータが多く、それらを機械に読み込ませることで正確なアルゴリズムを構築できます。

そして理化学研究所でおこなっているのは、材料工学に機械学習を取り入れる前段階の「材料データベース作成支援システム開発」。これまで出された材料工学の分野の膨大な論文をデータベース化して管理したり、実験を行うことなく理論だけで材料の設計をしたりできるようになることを目指しています。

熊谷 「理研との契約は、1日4時間×月6日間。なので、一週間のうち1〜2日は理研に出勤し、さくらインターネットの仕事はリモートワークで対応していますね。通常の勤務時間がおわった18時くらいから理研の仕事を4時間行う、というスケジュールです」

実は熊谷は、複数の活動はこれがはじめてではありません。中学時代には、器械体操を続けながら野球部に入部、高専時代には課外活動でロボコン(ロボットコンテスト)への取り組みをしながら陸上部にも所属していました。

熊谷 「飽き性なところがあるからか、常に新しいことを求めていたいんですよね。だから、どちらかだけが大切、ということではなく、どちらも大切。それが僕にとってのバランスのとれた生き方なんです。最初は、新入社員なのにパラレルキャリア制度やリモートワークを利用していいんだろうか?と悩むこともありました。ただ、さくらインターネットでは、決められた期日までに『ここまでの結果を出す』など、自分の責任を果たしていればある程度は自由を認めてくれる。実際、チームメンバーから、パラレルキャリアのことで悪くいわれたこともなく、むしろ理研で作っているデータベースを見てもらったときに『なんかわからないけどすごいな』といってもらえましたね。みんな優秀なエンジニアなので、相談させてもらうこともあるぐらいです」

パラレルキャリアは双方の活動に相乗効果をもたらす

▲さくらインターネット研究所のメンバー。パラレルキャリアの実現には理解のある同僚の存在も大きいのです

入社した会社の仕事に、自分の時間も精力もすべてささげなければならない、というのが一般的な就職のイメージ。ただ、さくらインターネットのように、会社以外でのキャリア形成を認め、それを可能にしているのは、社員の働きやすさを追求し、ほぼ定時に退社できるさくらインターネットならでは。

熊谷 「人によっては、ひとつのものに集中したいという人もいるし、それによってその分野の仕事を深掘りできることもあると思います。だから全員に向いているわけではないかもしれませんが、パラレルキャリアという生き方もあるんだよ、ということは世の中に広く知られてほしいな、とは思います」

実際、熊谷は“両方に集中”できるパラレルキャリア制度により、メリットを感じています。

熊谷 「さくらインターネットでは既存のデータベースを利用した機械学習を。理研では機械学習の元となるデータベースの作成をしています。そのため、どちらに何が必要か、ということを考えられる。両方のキャリアを通じて、研究に厚みが出てきて、相乗効果が生まれていると思います」

このように、上手にパラレルキャリアを歩んでいる熊谷。しかし、制度が生まれてからまだ1年未満ということもあり、活用しているメンバーの数は社内でもけして多くはありません。

熊谷 「パラレルキャリアといっても、何をしたらいいのかわからないのかなと思います。でも、入社する前から今日までずっと好きなこととか、趣味の分野を広げて、それが結果的にお金につながる、ということもあるかもしれません。仕事も好きなことも両立できたら素敵じゃないですか。新卒で就職活動している人にとっても、パラレルキャリア制度は魅力だと思います。それまでの趣味や活動をあきらめなくていいんですから。定時の8時間はしっかり仕事に集中して、その後の時間や土日は好きなことに全力を出せるわけですからね」

パラレルキャリア制度により仕事以外のスキルや人脈を広げ、それが社員の活躍の幅をも広げるものとなるように――さくらインターネットでは、これからも働き方改革を推し進めていきます。

※転載元:PR Table https://www.pr-table.com/sakura-ad/stories/768
※内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。