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さくらインターネット、高電圧直流(HVDC)給電システムに燃料電池を導入
〜石狩データセンターの検証環境の非常用発電装置として燃料電池を設置し、評価検証を実施〜

インターネットデータセンター事業を運営するさくらインターネット株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:田中 邦裕)とNTTデータ先端技術株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:三宅 功)は、石狩データセンターで実施している高電圧直流(HVDC※1)給電システムの実地検証環境の非常用発電装置として燃料電池※2 を設置し、評価検証を実施します。

2011年11月に開所した石狩データセンターは、北海道の冷涼な気候を活用した外気冷房の採用により、従来型のデータセンターと比較して空調の消費電力を約9割削減し、PUE※3 1.1台※4 を達成しています。当社では、さらなるエネルギー効率の向上を目指し、従来の交流(AC)方式より最大で2割程度の電力を削減できるHVDC給電システムをコンテナ化し、石狩データセンターに設置して実地検証を進めておりました。

この度、直流(DC)環境における効率的な非常用発電装置として、HVDC給電システムの実地検証環境に燃料電池を設置しました。燃料電池は、発電の過程で二酸化炭素や排気ガスを出さない環境に優しい発電方式の1つとして注目を集めています。また、交流環境で燃料電池を利用する場合、燃料電池の直流電力を交流に変換する必要があるため、変換時に5~10%程度の電力損失が発生しますが、HVDC給電システムで利用する場合、直流電源をダイレクトに利用できますので、直流/交流の変換による電力損失がなく非常に効率的な環境を実現します。今回の評価検証を通じて、HVDC給電システムと燃料電池の親和性を検証し、さらなる省エネルギー型データセンターの実現を目指していきます。

※1 High Voltage Direct Currentの略で高電圧の直流での給電方式を意味する。HVDC 12V方式は、300Vを超える高電圧直流を集中電源で12Vへと降圧した上でそのままサーバに給電する方式。

※2 燃料電池とは、水素と酸素を化学反応させ、電気エネルギーに変換する発電装置。

※3 Power Usage Effectivenessの略でデータセンターのエネルギー効率を示す指標の1つ。PUE値とは、データセンター全体の消費電力をIT機器の消費電力で割った値である。いくつかの算出方法があるが、当社ではもっとも一般的であるL1(UPS設備以降の消費電力をIT機器の消費電力とする方法)を採用している。

※4 PUE1.17(2013年1月14日のデータ)

コンテナを利用した石狩データセンターでのHVDC実地検証環境

2011年11月より、石狩データセンターのコンテナヤードに、コンテナを利用した実証実験環境を構築しました。20フィートコンテナに空調ユニットを備えつけ、内部に6ラック規模のHVDC設備を用意し、最終的な検証として様々な試験、測定を実施いたしました。その結果、総合効率は約91%を計測しております。また、2012年5月より、コンテナの上部に太陽光パネルを設置し、HVDC給電システムと太陽光発電の親和性の検証も実施しています。

HVDC給電システム実地検証環境の外観写真

燃料電池について

今回、採用した燃料電池は、株式会社サンコーシヤの水素燃料電池システム「altergy systems」です。「altergy systems」は、発電機ではなく水素と酸素の化学反応で発電するため騒音が少なく、従来の非常用電源と比較し軽量かつ省スペースです。また、排気ガスが無く、エネルギー効率が高いため環境に優しい発電システムとして評価されています。

HVDC給電システム実地検証環境に設置した燃料電池の外観写真

以上

■さくらインターネット株式会社
本 社:大阪市中央区南本町1 丁目8番14号
設 立:1999年8月17日
従業員:180名
資本金:8億9,530万円
売上高:91億6,462万円(平成24年3月期)

■報道機関からのお問い合わせ先
さくらインターネット株式会社 広報宣伝室
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