インターネットインフラサービスを提供するさくらインターネット株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:田中 邦裕)の高火力コンピューティング基盤が、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、「産総研」)と先端素材高速開発技術研究組合(以下、「Hi-Mat」)で共同運営するスーパーコンピューターシステムに採用されました。提供規模は、1,024ノード(サーバー台数)、合計32,768コア、総理論演算性能としては約1.153ペタフロップス(Pflops)※1です。
スーパーコンピューターの領域において、サービス利用によるコンピューターリソース調達の機運は高まってきています。従来は、利用者が自前の資産として必要な機材を調達し構築、運用を行うことが主流でしたが、電力消費量および資産管理コストの増加を回避するために、コンピューターリソースをサービスとして利用したいニーズが増えています。本案件では、当社の演算に特化したサービスである高火力コンピューティング基盤を基にした、クラウド型の利用方法が採用されました。本案件がこれからのスーパーコンピューター領域における調達方法に与える影響は非常に大きいと考えます。
なお、高火力コンピューティング基盤は当社の石狩データセンターを通じて提供しています。データセンターのエネルギー効率を表す指標であるPUE※2が、都市型データセンターでは一般的に1.5~2.0であるのに対して、石狩データセンターでは、通常外気冷房のみで1.11、夏季に従来型の空調運転をおこなった場合でも1.21を実現しており、消費電力を大幅に抑え、CO2を削減することができます。
当社は今後も、さまざまな規模のニーズにお応えするインターネットインフラサービスの提供を目指してまいります。
本案件の詳細について
契約先 |
Hi-Mat |
受注金額 |
2,099,940,000円※3 |
提供期間 |
2017年4月1日から5年間 |
提供規模 |
計算用サーバー 1,024ノード
合計32,768コア
総理論演算性能 約1.153ペタフロップス |
利用データセンター |
石狩データセンター |
Hi-Matについて
Hi-Matは、材料系の民間企業16社が結成した技術研究組合です。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」において、産総研と共同研究しています。
参考情報
・計算・プロセス・計測による三位一体の研究開発体制の構築により「経験と勘」に頼らない機能性新材料の研究を加速 -民間企業16社が結成した先端素材高速開発技術研究組合(Hi-Mat)と産総研が共同研究をスタート-(産総研ニュースリリース)
http://www.aist.go.jp/aist_j/news/pr20160909.html
※1 ペタフロップス(PFLOPS):コンピュータの処理能力の単位で、Peta Floating-point Operations Per Secondの略。Petaは1000兆(10の15乗)であり、毎秒1000兆回の浮動小数点演算ができることを表します。
※2 PUE(Power Usage Effectiveness)とは、データセンターのエネルギー効率をあらわす指標の1つ。値が1.0に近づくほど効率がよく、一般的に、値が2.0を切ると効率がよいとされています。
※3 計算用サーバー以外のその他機器等を含めた金額です。
※プレスリリースに掲載されている内容は発表時点の情報です。その後、予告せず変更となる場合があります。