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【イベント】「AI・人工知能EXPOレポート2019」今、最も熱いAI業界を支える、さくらの高火力コンピューティングの活用事例が大集合!!

 2019年4月3日(水)〜5日(金)の3日間、東京ビッグサイト青海展示棟において日本最大の人工知能展示会「第3回 AI・人工知能EXPO(以下、AI EXPO)」が開催されました。回を重ねるごとに規模・来場者数を拡大している同エキスポ、今回も前年度を2000名以上、上回る来場者があったそうです。もちろん、さくらインターネットも昨年に続いてこのイベントに出展。会場入口近くのブースにたくさんのお客さまがお越しくださいました。

りんかい線「東京テレポート駅」そばに新設された「東京ビッグサイト青海展示棟」。AI EXPOはその初公開イベントということでも注目を集めました。

 さくらインターネットブースは入場口を越えて右折してすぐのアクセスしやすいエリアに配置。さくらインターネットのロゴ入りポロシャツを着たスタッフが多くのお客さまに笑顔で応対していました。

「高火力コンピューティング」が実現する多彩なAIサービス

 今回、さくらインターネットのブースでご紹介させていただいたのは、AI・ディープラーニングなどに求められるコンピューティングパワーを低コストで提供する「高火力コンピューティング」を利用した事例の数々。医療から製造業、エンタテインメントまでさまざまな分野で活躍するAIをさくらインターネットが支えているのです。

AIが医師のサポート&育成に活躍 「Growth RTV」「GAN」- powered by eGrowth

イーグロース株式会社 代表取締役 今西勁峰 氏

 高火力コンピューティングの「医用AI」活用事例として紹介されていたのは、イーグロース株式会社の2つの研究事例。3D医用画像学習支援プラットフォーム「Growth RTV」では、CT/MRIで得られた人体の輪切り2D画像(DICOM規格)を適切に高解像度で滑らかな3Dデータへ変換し、それぞれの臓器を抽出(色付け)する処理にディープラーニングを活用しています。もう1つの「GAN」は、国内最大規模眼科の蓄積データから網膜剥離などの異常を学習し、健康な眼底画像にあたかも本物のような網膜剥離の模様を付加するというもので、今後、研究・教育用途への応用が期待されています。

 イーグロース代表取締役の今西勁峰氏曰く、「医療AI技術の研究・開発は膨大なマシンパワーを必要とする上、トライアンドエラーのために同じ処理を何度も繰り返さなければなりません。これを一般的なクラウドGPUで実施すると費用的にとんでもないことになってしまうのですが、さくらの高火力コンピューティングには定額プランが用意されているので安心です。そして、パフォーマンスも本当に素晴らしい。去年の11月に導入したのですが、初めて試した時は複雑な処理がこんなに速く終わるのかという“驚き”がありました。“驚き”……いや、これはもう“幸福感”と言うべきでしょうね(笑)。もう、以前の環境には戻れません」

CAE × AIで、職人のワザを再現! – powered by SKYDISC

株式会社スカイディスク研究開発本部 CIO 兼 研究開発本部長 伊藤俊介 氏

 AIをいち早く採り入れた業界の一つである製造業の世界でも、高火力コンピューティングは活用されています。今回、「製造業向けAI」の活用事例をご提供くださったのは、AI EXPOに独自でも出展されている株式会社スカイディスク。AIの専門家である同社では、高火力コンピューティングを使って、自動車メーカーの試作・設計工程をサポートするCAE(Computer Aided Engineering:コンピューター上での設計シミュレーション技術)にAI技術を組み込み、高効率化を図っているとのことです。具体的にはどんなことをやっているのか、同社研究開発本部 CIO 兼 研究開発本部長の伊藤俊介氏に聞いてみました。

 「3Dの座標数値データをオブジェクトに変換したり、そのオブジェクトを360度あらゆる方向からソフトウェアのカメラで撮影したりといった処理や、CADデータの形状単純化、各パーツに適用するメッシュの品質判定を行うAIモデルの作成にさくらの高火力コンピューティングを使っています。導入の決め手となったのは圧倒的な低価格。従量課金型の大手クラウドGPUを使った場合と比べて、場合によっては5〜10分の1近くになるのは助かりますね。現在は、パートナーである自動車メーカー向けにAIを開発していますが、将来的には化学合成など、他分野での活用も考えています。日本の製造業の課題である人手不足や後継者不足の解決などに役立てていただけることに期待しています」

AIで「エッジコンピューティング」を実現する 「Actcast」- powered by Idein

Idein株式会社 代表取締役 中村晃一 氏

 「ActcastではRaspberry Pi上で画像認識を行う深層学習モデルの制作にさくらの高火力コンピューティングを利用。自前で導入すると100万円以上する『Tesla V100』のような最新GPUを設備投資不要で使えるため、モデルの精度を高めることができました。また、我々のユーザーには情報の取り扱いに慎重な方々も多く、さくらインターネットが国内事業者であることも評価されています」(Idein株式会社 代表取締役 中村晃一氏)

あの将棋AI「Ponanza」もさくらの高火力で動作! – powered by Ponanza

高火力コンピューティングで動作するPonanzaデモ映像

 世界で初めて現役プロ棋士に勝利し、その後のインターネット棋戦でも数々の名勝負を繰り広げてきた将棋AI「Ponanza」。さくらインターネットは長らく「Ponanza」にコンピューティングパワーを提供し、その成長を支援してきました。この際の経験が、さくらの高火力コンピューティング提供に繋がっていったと言っても過言ではありません。また、現在、多くのゲームでAIが活用されるようになっていますが、そのブームのきっかけを作ったのも「Ponanza」の活躍があったればこそ、でしょう。

大盛況のAI EXPO 3Days! ありがとうございました!!

 AI EXPO入口近くに大きなブースを構えていたということもあり、多くの方々にお越しいただいたさくらインターネットの展示ですが、中でも特に注目を集めていたのが、ブース正面に設置された大画面モニターです。ここにはモニター上部に取り付けられたカメラで撮影したブース前の様子が表示されているのですが、そこには人の顔を囲むように赤い枠が……これ、実はさくらの高火力コンピューティングをアピールするためのリアルタイム顔検出デモなんです。デモではさらに検出した顔が男性なのか、女性なのか、年齢はどれくらいなのか? どんな表情をしているかなどもAIで判定。たまたま通りがかっただけの来場者も、モニターに映った自分の顔(と年齢表示?)を見て興味津々な様子でした。

顔検出デモ

 モニターの前はデモに興味を持ったお客さまで黒山の人だかりに。検出結果をカメラで撮ってSNSに投稿してくださったお客さまもたくさんいらっしゃいました。

 そして、こうしたデモや展示をご覧になったお客さまのために用意された商談用のカウンターデスクも常時大盛況。実際にAIを運用されているエンジニアの方から、自社の業務にAIを導入したいと考えている経営者の方まで、さまざまな方々がスタッフに声をかけ、高火力コンピューティングに関して質問されていました。

 高性能な最先端GPUを低ランニングコストで、今すぐ運用開始できるさくらの高火力コンピューティング。AI EXPOは終了してしまいましたが、ご興味のある方はぜひ、下記のリンク先でサービス内容をご確認・お問い合わせください。

取材・執筆 さくらのナレッジ ライター 山下 達也 氏

参考情報

・さくらの高火力コンピューティング
 https://www.sakura.ad.jp/koukaryoku/
・AI・人工知能EXPO公式サイト
 https://www.ai-expo.jp/ja-jp.html