さくらインターネット研究所、情報処理学会のシンポジウムにて4賞受賞
〜所員の論文および公立はこだて未来大学との共同研究〜

2021年1月14日
  • さくらインターネット株式会社

 インターネットインフラサービスを提供するさくらインターネット株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:田中 邦裕)の組織内研究所であるさくらインターネット研究所に所属する所員の論文が、情報処理学会「第13回インターネットと運用技術シンポジウム」において優秀論文賞と優秀プレゼンテーション賞を受賞いたしました。
 さらに公立大学法人公立はこだて未来大学(所在地:北海道函館市、理事長:片桐 恭弘、以下「公立はこだて未来大学」)との共同研究内容が「第13回インターネットと運用技術シンポジウム」において優秀ポスター賞、「第32回コンピュータシステム・シンポジウム」において最優秀若手発表賞を受賞いたしました。

 受賞した論文は以下の3本です。いずれの論文も、より快適・安全にインターネットインフラを利用するために有用な技術に関する内容となっております。

マイクロサービスにおける性能異常の迅速な診断に向いた時系列データの次元削除手法

坪内 佑樹(さくらインターネット株式会社、京都大学)
鶴田 博文(さくらインターネット株式会社)
古川 雅大 氏(株式会社はてな)

情報処理学会「第13回インターネットと運用技術シンポジウム」
・優秀論文賞 受賞
・優秀プレゼンテーション賞 受賞 (坪内 佑樹)

マルチテナント向けコンテナ集積型クラウドサービスにおけるネットワーク分離・制御方法の検討

中田 裕貴 氏(公立はこだて未来大学)
松本 亮介(さくらインターネット株式会社)
松原 克弥 氏(公立はこだて未来大学)
※さくらインターネット研究所と公立はこだて未来大学の共同研究

情報処理学会「第13回インターネットと運用技術シンポジウム」
・優秀ポスター賞 受賞

コンテナ型クラウドサービス基盤におけるハードウェア仮想化技術の併用によるネットワーク制御の検討

中田 裕貴 氏(公立はこだて未来大学)
松原 克弥 氏(公立はこだて未来大学)
松本 亮介(さくらインターネット株式会社)
※さくらインターネット研究所と公立はこだて未来大学の共同研究

情報処理学会「第32回コンピュータシステム・シンポジウム」
・最優秀若手発表賞 受賞

 さくらインターネット研究所では、今後も社会にとって有用で新しいインターネットインフラを実現するための研究開発に努めてまいります。

受賞論文について

タイトル

『マイクロサービスにおける性能異常の迅速な診断に向いた時系列データの次元削除手法』

マイクロサービスにおいて、大量の時系列データから異常の診断に有用なデータを教師なし機械学習により高速に抽出する手法を提案するものです。本提案により、マイクロサービスの管理者が複雑なシステムを認知するための負荷を低減可能となります。
本論文は、クラウドの運用技術分野での高い新規性と、実用的な問題にアプローチしている点が評価され受賞にいたりました。

論文(カメラレディ版)

https://yuuk.io/papers/tsifter_iots2020.pdf

タイトル

『マルチテナント向けコンテナ集積型クラウドサービスにおけるネットワーク分離・制御方法の検討』

クラウドサービス事業者がマルチテナント向けコンテナ集積型クラウドサービスを導入する際の機能要件を整理して、コンテナ向けネットワーク分離・制御の実現に関する既存手法と著者らが提案する手法を分析した研究成果の発表です。用いている技術に着目して既存手法を4つのグループに分類し、軽量ハイパーバイザを用いる提案手法を加えた各実現手法に関して、性能や利便性などの観点で比較・評価を行いました。
本ポスター発表は、コンテナ集積型クラウドサービスの機能要件を整理したことや、既存ネットワーク制御手法に対する分析が評価され、受賞にいたりました。

論文(カメラレディ版)

http://id.nii.ac.jp/1001/00208130/

タイトル

『コンテナ型クラウドサービス基盤におけるハードウェア仮想化技術の併用によるネットワーク制御の検討』

コンテナ型クラウドサービス基盤を対象として、ネットワーク制御の新たな実現手法を検討した研究です。本発表では、マルチテナントのクラウドサービスにおいて重要となる、高集積性、I/O性能、テナント間の公平性担保を両立するネットワーク分離・制御方式として、コンテナ型仮想化を提供するOSカーネルより下位で動作するネットワーク制御専用レイヤを提案し、軽量ハイパーバイザを用いた実現可能性を検討・評価しました。
本研究発表は、OSのコンテナ型仮想化技術とハイパーバイザのハードウェア仮想化技術を組み合わせる実現手法のユニークさが評価され、受賞にいたりました。

論文(情報処理学会Webサイト)

http://id.nii.ac.jp/1001/00207985/

当社所属の論文著者プロフィール

坪内 佑樹(つぼうち ゆうき)

さくらインターネット研究所 研究員
2019年2月入社。Site Reliability Engineering(SRE)を研究する。
2013年12月より株式会社はてなのWebオペレーションエンジニアおよびSREとして従事しつつ、業務の傍らで論文執筆。技術を使うことに加えて、技術を創ることを志し、技術者から研究者へ転向。情報処理学会IPSJ-ONE 2017にて情報科学分野で活躍する若手研究者として技術者ながら選出される。2020年度情報処理学会山下記念研究賞受賞。

鶴田 博文(つるた ひろふみ)

さくらインターネット研究所 研究員
インフラ領域における機械学習の活用に関する研究を担当。元消防士という異色の経歴を持つ。学生時代は材料工学を専攻し、高分子材料の物性に関する研究に従事。修士号を早期修了した後、博士課程に進学するも中退し、消防士になる。2016年11月にIT業界に飛び込み、機械学習エンジニア、インフラエンジニアを経て、2019年8月より現職。

共同研究に関わる論文著者プロフィール

松本 亮介(まつもと りょうすけ)

さくらインターネット研究所 上級研究員
2008年、ホスティング系企業に就職したのち、2012年に京都大学大学院の博士課程に入学。インターネット基盤技術の研究に取り組み、mod_mrubyやngx_mrubyなどのOSSを始めとした多数のOSSへの貢献や学術的成果を修める。2015年4月より2018年10月までGMOペパボ株式会社にてチーフエンジニアとしてプロダクトのアーキテクトやエンジニア組織のマネージメントに従事すると同時に、ペパボ研究所では主席研究員としてOS・Middleware・HTTPを研究。2018年11月より現職。
第9回日本OSS奨励賞や2014年度情報処理学会山下記念研究賞などを受賞。2016年には、情報処理学会IPSJ-ONEにおいて時流に乗る日本の若手トップ研究者19名に選出される。

参考情報

情報処理学会「第13回インターネットと運用技術シンポジウム」について

第13回インターネットと運用技術シンポジウムは、情報処理学会インターネットと運用技術 (IOT) 研究会により「『新しい生活様式』を見据えたシステム運用管理を求めて」をテーマに開催されました。
COVID-19における「新しい生活様式」を見据えたシステム運用管理を中心として、それらの課題や取り組みについてさまざまな分野からの報告を行うと共に議論し、今後のインターネット構築運用技術の研究開発に寄与することを目的としたものです。

https://www.iot.ipsj.or.jp/symposium/iots2020/

情報処理学会「第32回コンピュータシステム・シンポジウム」について

コンピュータシステム・シンポジウムは、情報処理学会システムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会が中心となり開催されています。
基盤ソフトウェア技術の分野で最新の話題や斬新なアイデアについて、発表・議論するシンポジウムです。

http://www.ipsj.or.jp/sig/os/index.php?ComSys2020

※ プレスリリースに掲載されている内容は発表時点の情報です。その後、予告せず変更となる場合があります。

会社概要

本 社:大阪府大阪市北区大深町4番 20 号
創 業:1996年12月23日
設 立:1999年8月17日
資本金:22億5,692万円
URL :https://www.sakura.ad.jp/corporate/

この件に関する報道関係者からのお問い合わせ先

さくらインターネット株式会社 広報担当
E-mail:press-ml@sakura.ad.jp

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