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KDDI、さくらインターネット、ハイレゾ、GPUの相互再販などを行う「日本GPUアライアンス」設立
〜日本のAI産業発展と競争力強化に向け、国内事業者間でのGPUリソースの有効活用へ〜

 KDDI株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:松田 浩路、以下 KDDI)、さくらインターネット株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:田中 邦裕、以下 さくらインターネット)、株式会社ハイレゾ(本社:東京都新宿区、代表取締役:志倉 喜幸、以下 ハイレゾ)は2025年10月21日、日本におけるGPUコンピューティングリソースの安定供給体制を確立し、国内AI産業全体の発展に寄与することを目的として、「日本GPUアライアンス」(以下 本アライアンス)を設立しました。
 本アライアンスにより、急速に高まるGPU需要に柔軟かつ安定的に対応するため、KDDIが導入予定の「NVIDIA GB200 NVL72」、さくらインターネットの生成AI向けクラウドサービス「高火力」、ハイレゾの業界最安級のGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」の相互再販を行い、GPUを活用した高度な計算資源の提供を拡大していきます。

 3社は今後、本アライアンスへの参加条件を公開することで、より多くの企業・団体の参加を促進し、オープンかつ協調的な協力体制の構築を目指します。

背景

・3社は、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」について経済産業省から認定を受けており、計算資源を国内のスタートアップやAI開発企業などに提供し、生成AI開発等のための基盤を整備しています。

・今後も高まるGPU需要に柔軟かつ安定的に供給できる体制を構築するため、3社は「GPU需要への対応に向けた基本合意書」を2025年4月11日に締結しました(注)。市場の需要に応じた多様なGPUサービスの選択肢を提示することや、業界全体のシームレスな連携を可能とすることを目的とし、本アライアンスの設立に至りました。

実施内容

1.高性能GPUリソースの安定供給
・本アライアンス参加企業は、お客さまのニーズに応じて最適なGPUを相互再販します。生成AI開発などで高まるGPU需要に対し、複数事業者が連携することで、お客さまに高性能なGPUリソースを柔軟かつ安定的に供給します。

2.用途に適した環境の提供
・お客さまのモデル規模やコスト要件に応じて、本アライアンス参加企業のサービスの中から最適なGPUを選択できる体制を整備し、開発効率とコストパフォーマンスの向上に寄与します。

3.国産クラウドによるセキュアな環境の提供
・本アライアンス参加企業は国産クラウドを提供し、データの国内保持を重視するお客さまにも安心してご利用いただける環境を整備します。

4.アライアンス体制の強化
・GPUに関する最新情報や需要予測を定期的に本アライアンス参加企業間で共有し、柔軟かつ安定的なサービス提供体制を強化します。

・新規参加条件を公開し、幅広い企業・団体の参加を促進することで、オープンかつ協調的な協力体制の構築を目指します。

参考

3社によるGPU相互再販の進捗事例

1.一般社団法人AIロボット協会

さくらインターネットが提供する生成AI向けクラウドサービス「高火力 PHY」をKDDIから提案し、ロボット分野における基盤モデルの開発に活用いただいています。「高火力 PHY」に加え、大容量ストレージも合わせて提供することで、国内ロボット業界におけるAI開発力強化に寄与し、産業競争力強化に貢献していきます。

提供サービス:生成AI向けクラウドサービス「高火力 PHY」H200搭載モデル
ユースケース:ロボット基盤モデルの開発

2.株式会社AIdeaLab

ハイレゾが提供するAI開発向けGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN AIスパコンクラウド」をKDDIから提案し、時空間MoE(Mixture of Experts)を用いた動画生成AI基盤モデルの開発や、動画生成プラットフォーム「AnimeGen」の満足度検証におけるモデル開発・推論に活用いただいています。コストを抑えた開発環境が必要なケースにおいて、業界最安級の価格帯で展開する「GPUSOROBAN」が採用されたことで、持続可能な研究開発を実現し、動画生成AI基盤の社会実装に寄与しています。

提供サービス:ハイレゾ「GPUSOROBAN AIスパコンクラウド」 NVIDIA H200
ユースケース:動画生成AI基盤モデルの研究開発および満足度検証のモデル開発・推論

KDDI株式会社について

 KDDIは、5G通信を中心に、個人のお客さまには「au」、「UQ mobile」、「povo」のマルチブランドで展開し、法人のお客さまには「KDDI BUSINESS」のブランドで国内外に多くのサービスを提供しています。
 また当社は、2022年5月にKDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を策定しました。このVISIONのもと、中期経営戦略(2022-25年度)では「新サテライトグロース戦略」を推進しています。「新サテライトグロース戦略」は5G通信とデータドリブン、生成AIをコア事業とし、成長を牽引する事業領域「Orbit1(DX/金融/エネルギー)」と、新たな成長に挑戦する事業領域「Orbit2(モビリティ/宇宙/ヘルスケア/Web3・メタバース/スポーツ・エンタメ)」に取り組み、さらなる事業拡大を推進します。
 KDDIはサステナビリティ経営を根幹に「新サテライトグロース戦略」とそれを支える経営基盤の強化を通じて、パートナーの皆さまと共に、社会の持続的成長と企業価値の向上を目指していきます。
https://www.kddi.com/

KDDIのAIデータセンターについて

 KDDIは、兆単位パラメータの大規模な生成AIモデルを高速に開発できる「大阪堺データセンター」として、2025年度中の稼働開始を目指しています。大阪堺データセンターを生成AIの開発やその他のAI関連事業に活用するほか、AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX」を通じて企業などへ提供します。

さくらインターネット株式会社について

 さくらインターネットは、1996年創業のインターネット企業です。「さくらのクラウド」「さくらのレンタルサーバ」「さくらのVPS」などのクラウドコンピューティングサービスを、自社運営の国内のデータセンターから提供しています。「『やりたいこと』を『できる』に変える」の企業理念のもと、お客さまのご要望にお応えする多様なサービスを開発し、あらゆる分野に対応するDXソリューションを提案します。
https://www.sakura.ad.jp/corporate/

生成AI向けクラウドサービス「高火力」(https://gpu.sakura.ad.jp/

 「高火力」は、高性能なGPUを利用可能な生成AI向けクラウドサービスです。本サービスは再生可能エネルギー電源100%のCO2排出量ゼロを実現する石狩データセンターをはじめとする国内のデータセンターから提供しています。さくらインターネットは、生成AIに関わるコンピューティングリソースの安定的な供給の確保が日本のデジタル社会を発展させるために必要不可欠であると考え、本サービスの提供を推進しています。

株式会社ハイレゾについて

 ハイレゾは、2019年より石川県志賀町にてGPUデータセンターを運営し、GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を提供しています。
 2024年には香川県に中四国地方初となる「AI開発用GPU専用データセンター」を高松市に開設。2025年8月には、佐賀県玄海町の廃校を利活用したGPUデータセンターを新規開設。2026年には中四国地方2拠点目となるGPUデータセンターを香川県綾川町に開設予定。これらの地方拠点を通じて、地方創生と生成AIの発展を推進しています。

2022年6月 NVIDIA「Best CSP Partner of the Year」受賞
2024年4月 経済産業省による「クラウドプログラム」供給確保計画に認定
https://highreso.jp/

GPUSOROBAN(https://soroban.highreso.jp/

 「GPUSOROBAN」は、画像生成AIやLLM(大規模言語モデル)等の膨大な計算処理を高速化するGPUクラウドサービスです。データセンターの建設コストや運転コストを抑えることで、NVIDIA の高性能なGPUサーバーを低コストで提供しています。GPUSOROBANは累計2,000件を超える利用実績があり、IT業界から製造業、建設業、大学研究機関まで幅広く利用されています。

 

(注)2025年4月11日 ニュースリリース
KDDI、さくらインターネット、ハイレゾ、GPU需要への対応に向けた基本合意書を締結(https://www.sakura.ad.jp/corporate/information/newsreleases/2025/04/11/1968219251/

 

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