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さくらインターネット、前後列アイルキャッピング方式を採用し、空調とサーバ収容効率を高めたホスティング専用データセンターを運用開始
〜自社開発による省電力・省スペースサーバも新たに投入〜

国内最大級のバックボーンネットワークを有しインターネットデータセンター事業を運営するさくらインターネット株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:田中 邦裕)は、堂島データセンター(大阪市北区)のフロアを新たに増床し、ラックの前後列を両方ともに覆うアイルキャッピング空調システムを導入した、ホスティング専用のデータセンターとして2009年2月18日より運用を開始いたします。

当社は、本町、堂島(いずれも大阪市)、池袋、東新宿、西新宿、代官山(いずれも東京都)の6データセンターにおいて、ホスティングおよびハウジングサービスを提供してまいりました。この度、増床した堂島データセンターのフロアには、ラックの前後列通路を両方ともに覆い、冷気を囲い込むアイルキャッピングと、高開口率で通風性に優れたデータセンター専用ラックを採用、また、新たに自社開発の省スペース・省電力サーバの投入により、空調効率の改善とサーバの収容効率を高め、省エネルギーとデータセンタースペースの有効活用を図ります。

近年、地球温暖化防止への関心の高まりにより、多くの電力を消費するデータセンターは効率的な運用が求められています。また、世界的な経済不安により企業のITサービス利用に対するコスト削減への要望は強まる一方であり、アウトソーシング先であるデータセンター事業者は、グリーン化への取り組みだけではなく効率の良い施設運用が必要です。標準的な空調方式のデータセンターでは、総利用電力における空調の電力消費は約4割にもおよび、サーバの電力と共に大きな割合を占めています。

今回増床したフロアでは、アイルキャッピング(※1)で多くのノウハウをもつ株式会社NTTファシリティーズと、データセンター専用ラックメーカーである河村電器産業株式会社の協力により、ラックへの前後マウントによるサーバの高収容に最適な空調環境を実現いたしました。これにより、従来比、空調効率20%の向上と、1ラックあたり約2倍の最大160台ものサーバ収容を実現し、効率的なデータセンター運用とコストパフォーマンスの高いホスティングサービスを提供してまいります。

尚、増床した堂島データセンターのホスティング専用フロアの概要及び特長は以下の通りです。

堂島データセンターの概要

所在地 大阪市北区
新設した床面積 650㎡(運用中・未整備分をあわせた全体の床面積2,190㎡)
新設サーバラック数 82基(増設後のデータセンター全体の総ラック数641基)
地震対策 制震構造
消火設備 ガス消火設備+高感度火災予兆検知システム(VESDA)
空調設備 二重床吹出天井吸込方式(FMACS)
気流制御方式 前後列通路アイルキャッピング+横吸込天井吹上方式
セキュリティ 非接触型ICカード方式による入退室管理
電力受電方式 特別高圧スポットネットワーク3回線受電方式
非常用自家発電装置 ガスタービン式発電装置
無停電電源装置 n+1冗長構成UPS

※1 アイルキャッピングとは、ラック列間の通路を壁や屋根で区画し、サーバへの給気(低温)とサーバからの排気(高温)を物理的に分離して効率的な空調環境を実現する気流制御技術です。また、「アイルキャッピング」はNTTファシリティーズの商標(出願中)です。

イメージ:さくらインターネット堂島データセンター 新フロア

さくらインターネット堂島データセンター 新フロア

イメージ:前後列通路アイルキャッピング

前後列通路アイルキャッピング

年間消費電力削減に有効なアイルキャッピング空調方式

この度、増床した堂島データセンターのホスティング専用フロアでは、「省エネルギー」と「信頼性向上」という課題に対し有効なソリューションである、NTTファシリティーズのアイルキャッピング技術を導入いたしました。その特長は以下の通りです。

省エネルギー

現在のデータセンターの標準的な空調方式である、二重床吹出横吸込方式、または二重床吹出天井吸込方式を採用したサーバールームにおいて、サーバからの高温排気と冷気との混合による高温障害を解消するために、空調風量の増大や吹出温度を必要以上に下げて運用することが多く見られていました。これに対して、アイルキャッピング設置により空調風量を必要最小限にできることで、空調機の送風機動力を削減することができます。また、サーバの吸込み許容温度に応じて空調吹出温度を上げることができ、空調機の高効率運転が可能になるため省エネ運用が可能です。さらに、アイルキャッピングに加えてNTTファシリティーズ開発製品のFMACSRシリーズ(IT装置用床置型空調機)を採用しているため、年間を通じての高効率運転により、一般電算機用空調機と比較して大幅な省エネでの運用が可能です。

信頼性向上

近年、サーバの高密度化・高発熱化が進むにつれ、空調停止後の室温上昇が急激になり、停電により空調機が停止した場合、予備電源から電力供給し、空調が再開される前にサーバの運用温度の上限を超過するケースも見られるようになりました。アイルキャッピングを採用した室内では、空調機が停止してもコールドアイル内が囲まれているため、サーバの排気の回り込みが抑制されます。これにより、高発熱密度のデータセンターであっても室温上昇が緩やかになり、その速度はアイルキャッピングを採用しないケースと比較して半分以下に低下させることができます。

イメージ:さくらインターネット 堂島データセンター新フロアのアイルキャッピング構成イメージ

さくらインターネット 堂島データセンター新フロアのアイルキャッピング構成イメージ

増床した堂島データセンターのホスティング専用フロアでは、床下から吹き上げる冷気を前後通路の両方で囲い込むアイルキャッピングを導入し、ラック前後両面からの吸気とするため、一般的な1Uサーバの1方向マウントではなく前後2方向のマウントを基本としています。

ハウジングによる提供では、様々な機器が混在しラック内での排気位置や排熱量が異なるため、サーバの収容効率を平準化して高めることは困難ですが、ホスティング専用とすることにより、専用設計のサーバによる前後マウントと筐体の小型化による高収容化を実現いたしました。

吸排気性能に優れたデータセンター専用ラックを採用

データセンター専用ラックメーカーである河村電器産業の最新型ラック「NDシリーズ」を採用いたしました。扉面には従来の開口率から13%高めた76%ものパンチング材を用い、高い吸気性能と、天井部には大型ダブルファンを設置し優れた排気性能を両立しています。

イメージ:河村電器産業「NDシリーズ」

河村電器産業「NDシリーズ」

また、サーバの仕様や吸気方法、キャッピング条件を元に熱解析を実施し、ラック内温度の分布などをサーモグラフで多角的に検討。最適なサーバ形状と収容方法を割り出し、サーバの高収容化とスムーズな廃熱設計を行っています。

イメージ:「従来ラック使用時の熱解析結果」

「従来ラック使用時の熱解析結果」
例:1UハーフL型サーバの前後マウント/ラックの床下から天井部吹上
サーモグラフでは赤や黄色の温度が高い部分が大半を占めている

イメージ:「新型ラック使用時の熱解析結果」

「新型ラック使用時の熱解析結果」
例:1UハーフL型サーバの前後マウント/ラックの前後通路面から横吸込・ラック中央から天井部吹上
サーモグラフではサーバの大部分が温度の低い青や緑色である

自社開発の新サーバにより省電力と省スペースを更に追求

当社独自の自社開発による、1Uラックマウントサイズを前後に2分割して2台のサーバを実装する1UハーフL型サーバと、前後+左右に4分割して4台のサーバを実装する1Uクォータサーバを新たに投入。これにより一般的なラックの前面吸気/後方排気とは異なり、ラック前後通路面の2方向から冷気を吸入し、天井部へサーバの高温の熱気を排気する気流制御を実現しています。

また、1Uクォータ型には省電力CPUであるインテル® Atom™プロセッサーを採用し、筐体の小型化とサーバの消費電力および発生する熱を大きく抑制、従来の1ラック72台から約2倍の130~160台もの高収容を実現いたしました。

イメージ:1UハーフL型サーバ(左)/1Uクォータ型サーバ(右)

1UハーフL型サーバ(左)/1Uクォータ型サーバ(右)

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尚、堂島データセンター新フロア運用開始に伴い、NTTファシリティーズ様、河村電器産業様よりエンドースコメントを頂戴しております。

株式会社NTTファシリティーズ様より

NTTファシリティーズは、空調効率を高めたデータセンターの運用開始を心より歓迎いたします。弊社は近年のデータセンターの使用電力量の増加、地球環境への負荷低減に対し、IT装置用高効率空調機FMACS、高信頼な直流電源装置等、様々なソリューションを提供しています。このたび、本ホスティング専用フロアにご導入いただいた空調方式は省エネルギーと信頼性向上に有益であり、ニーズに叶うものと確信しております。今後も国内のデータセンター環境構築の30%以上に携わってきた実績をもとに、高信頼で地球環境に配慮した省エネルギーなデータセンターの環境構築・運営をサポートしてまいります。

株式会社NTTファシリティーズ
取締役 データセンター環境構築本部長
小泉 泰之

河村電器産業株式会社様より

この度は、当社の新型データセンター用ラック「NDシリーズ」導入の新データセンター提供開始まことにおめでとうございます。河村電器産業では、年々高密度化、高容量化が進んでいるサーバラックに当社独自の排熱技術を「NDシリーズ」に集約することにより、ラックの内部温度上昇を最大限抑えることを可能にいたしました。さらに、最新の熱解析シュミレーションソフトを駆使し、お客様のラック設置環境に適合したモデル作りをすることで技術的な信頼もいただいております。今後もさくらインターネット様と共同で、さらに排熱効率の高いラック開発に取り組んでいく所存でございます。

河村電器産業株式会社
情報通信事業部長
早川 智宏

以上

■さくらインターネット株式会社について
さくらインターネットは、国内最大級の大容量・高速バックボーンと自社運営のデータセンターを所有するインターネットサービス事業者です。高品質かつコストパフォーマンスの高いレンタルサーバなどのホスティングサービスや、サーバを預かりインターネット回線へ接続するハウジングサービスを提供。優れたトラフィック配信能力からブログやSNS、動画共有サイトなどアクセスの多い人気コンテンツ事業者から多くの支持を受けています。

■会社概要
本 社:大阪市中央区南本町1丁目8番14号
設 立:1999年8月17日
資本金:8億9530万円
従業員:165名

■この報道資料の問い合わせ先
さくらインターネット株式会社 企画部 広報宣伝チーム
支 社:東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング 6F
TEL:03-5339-9653 FAX:03-5339-9654
問い合わせフォーム:https://sakura.f-form.com/sakurapr URL:http://www.sakura.ad.jp

■一般のお客様の問い合わせ先
さくらインターネット カスタマーセンター
TEL:0120-775664
E-mail:support@sakura.ad.jp