デジタルインフラサービスを提供するさくらインターネット株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:田中 邦裕、以下「さくらインターネット」)は、「NVIDIA H200 GPU」を採用したマネージドスーパーコンピュータ「さくらONE」を2025年9月30日(火)より提供を開始します。
「さくらONE」は、2025年6月に発表されたスーパーコンピュータの国際性能ランキング「TOP500」※1にて世界49位を獲得した「NVIDIA H100 GPU」構成のシステム技術をベースに再構築したマネージドスーパーコンピュータです。GPUメモリ141GBを有する「NVIDIA H200 GPU」を8基搭載したサーバーで構成され、最大55台、合計440基のGPUリソースを同時に活用できます。
さくらインターネットが運営する石狩データセンター内のコンテナ型データセンターにて構築しており、直接液体冷却方式(Direct Liquid Cooling)※2による高効率な冷却と、電力制限を設けない設計により、「NVIDIA H200 GPU」が持つ性能を最大限に発揮します。
「NVIDIA H200 GPU」の性能を活かすことで、気象予測や防災シミュレーションの大規模モデル解析、医療分野の画像処理やゲノム解析、エネルギー分野における流体や構造解析など、高度な科学技術計算を安定かつ効率的に実行できます。
また、「さくらONE」はサーバーリソースの提供に加えて、計算ジョブの管理機能(ジョブスケジューラ)や、処理状況の可視化、ユーザーアカウント管理、障害時のノード交換対応など、計算環境の立ち上げから日常的な運用管理までを一括で支援するマネージドサービスです。これにより、開発環境の構築や運用にかかる時間とリソースの負担を削減し、短期間で高性能な計算基盤を利用できます。
さらに、「さくらONE」の利用期間は最低30日から、1日単位で最大55台のうち必要な台数と期間を予約して利用できます。計画的な利用だけでなく、試験導入や段階的なスケールにも対応できるため、多様なニーズにも対応可能な柔軟性と即時性を備えており、生成AIの実用化を支える計算基盤として幅広く活用できます。
今後は、「NVIDIA Blackwell GPU」を採用した新たな「さくらONE」の提供を予定しております。また、11月に開催される「TOP500」へのエントリーも予定しており、性能向上に向けた取り組みを継続し、ランキング上位を目指してまいります。
さくらインターネットは引き続き、次世代GPUの継続的な調達および整備を行い、用途や目的に応じて最適化されたデジタルインフラを開発します。そして、AI需要に応えられる付加価値の高いサービスを創出し、デジタル社会の継続的な発展への貢献を目指してまいります。
※1 「TOP500」は、ドイツのハンブルグで開催されたHPCに関する国際会議・展示会「ISC2025」です。2025年6月10日(日本時間)にランキングが発表されました。 https://www.isc-hpc.com/
※2 液体を直接使用してサーバーの熱を効率的に除去する冷却方式です。
「さくらONE」について
仕様(最大構成利用時)
GPU |
NVIDIA H200 SXM 141GB 8GPUs × 55nodes = Total 440 GPUs |
CPU |
Intel Xeon Platinum 8580+ × 2CPU (60cores) × 55nodes = Total 6600 cores |
メモリ |
DDR5-1.5TB × 55nodes = 82.5TB |
ローカルストレージ |
7.68TB × 4(1計算ノードあたり) |
共有ストレージ |
Lustre File Storage 500TB(1ユーザーあたり2TB) |
グループ専用ストレージ |
Lustre File Storage(10TB〜) |
インターコネクトネットワーク |
400GbE × 8 |
ジョブスケジューラ |
Slurm Workload Manager |
活用例
分野 |
具体的な活用例 |
医薬品開発、バイオインフォマティクス |
薬剤分子のドッキングシミュレーション |
エネルギー |
プラズマシミュレーションや、風力発電の乱流解析 |
気候科学、気象予測 |
異常気象や台風進路予測や温暖化シナリオ計算 |
金融サービス、リスク解析 |
デリバティブ商品の価格付け、大規模リスクシナリオ分析 |
自動車、航空宇宙 |
CFD(数値流体力学)シミュレーション、自動車の衝突安全性解析 |
地球科学 |
巨大地震の津波伝播予測シミュレーション |
材料科学、ナノテクノロジー |
次世代材料の分子シミュレーション |
人工知能(大規模モデル学習、ロボティクス・エージェントAI) |
事前学習やロボティクス制御AIのシミュレーション学習 |
ご相談・お申し込み
以下リンクより、お申し込みだけでなく、料金の詳細確認や構成に関するご相談、自社に最適な活用方法についてオンライン相談も受け付けております。
https://www.sakura.ad.jp/request_form/service/koukaryoku_inquiry/
関連情報
ニュースリリース
さくらインターネット研究所、クラウド型のスーパーコンピュータシステム「さくらONE」が処理性能ランキングTOP500で、世界49位を獲得(2025年6月11日発表)
https://www.sakura.ad.jp/corporate/information/newsreleases/2025/06/11/1968219771/
さくらインターネットの石狩データセンターで稼働するクラウド型のスパコンが、処理性能ランキングTOP500で、世界54位を獲得(2019年6月18日発表)
https://www.sakura.ad.jp/corporate/information/newsreleases/2019/06/18/1968200452/
さくらインターネット株式会社について
代表者:代表取締役社長 田中 邦裕
本 社:⼤阪市北区⼤深町6番38号 グラングリーン⼤阪 北館 JAM BASE 3階
創 業:1996年12月23日
設 立:1999年8月17日
URL :https://www.sakura.ad.jp/corporate/
この件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
さくらインターネット株式会社 広報担当
問い合わせフォーム:https://sakura.f-form.com/sakurapr
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